「クラウド、此処」 クリスが手をあげて手を振っている。その横で、相変わらず表情崩さず立っているのはカイン。今日は、皆で五番街の公園に行く約束だった。話のきっかけはリチャード。 「なあなあ、知っているか?」 「何、リチャード」 クラウドに、数学を教えて貰っていたクリスが顔を上げる。クラウドも、なんだろうとリチャードを見る。 「今さ、五番街の公園にさ「チョコボファーム」が着ているんだって?」 「チョコボ?」 「うん、クリスマスイベントの一環らしいんだけどチョコボに餌あげたり触れるらしいぜ」 クラウドは、「クリスマス」の単語判らなかったがチョコボに会えると喜んでいた。五番街の公園は、敷地が広いためよくイベントやコンサートなどにも使用されている公園だった。で、お休みの日曜日を使って皆で遊びに行こうと約束したのだ。 「リチャード、まだなの?」 「ああ」 寮が一緒な筈なのに、クリスリチャード置いて来たのかな何て思っていたら 「リチャード、寝坊したんだ。だから、もうすぐで来ると思うよ」 「そっか」 公園の入り口が待ち合わせ場所で、このグループはこのイベントに遊びにきている親子ずれやカップルの妙な視線を一身に浴びていた。クラウドは、セフィロスに買って貰った服を着ていた。白いファー付きのコートにタートルネックのカットソーにプルオーバーの綿のシャツに、ワンウォッシュのデニムにショートブーツ。出かけにセフィロスは、クラウドの服装を見て顔には出していなかったが喜んでいた。 「クラウド、服どうしたの?」 「うん////セフィロスが…」 「似合うよ」 カインも、頷く。クリスは、全くこの二人と並ぶと否応なしに目立つなぁ何てぼんやりと考えている。漆黒の髪を肩できっちり結わき細長の切れ目のカインは、黒が好きなのか全身黒で纏めている。それに反してクラウドは黙っていれば女の子だ。だから、余計皆見るのかなぁ。 「わりぃ、皆」 「「おそーい」」 リチャードが、走り寄ってきた。 「さっ行こうよ」 公園の中は色々飾り付けられていて、公園の中心には大きなツリーが飾られていた。 「もうすぐクリスマスだもんな」 「なぁ」 クラウドは、この綺麗に飾り付けられたツリーを見上げながら 「クリスマスって何?」 「……ニブルヘイムは、クリスマスってなかったのか?」 クラウドは、首を振る。 「判らない、俺一人だったし誰も教えてくれなかったし…学校…行ってなかったから」 最後の言葉に皆驚いていた。 学校、行ってなかったって…あの学力は、何処から来るんだよ。 「今じゃイベントみたいなものになっちゃっているけどね。確か、昔の宗教の神様の誕生日なんだ。で、クリスマス・イブというのは、その前日の事。今じゃ、カップルの一台イベントになっているし家族でお祝いしたり」 「いい子には、サンタクロースがプレゼント持って来るんだぜ」 リチャードがくすくす笑う。 「ふぅん」 「俺は、お袋と親父にプレゼント決めたよ」 「カインは?」 「これから」 クラウドは、クリスから親しい人にクリスマスプレゼントを贈ることを教えて貰った。何だかんだとで店でホットドックを買いチョコボファームへと付いた。背の高いゲージの向こうで五羽のチョコボが悠然と歩いている。 「うわぁ」 クラウドが柵に寄った途端、チョコボが集まってきた。 「なんか、クラウド保護色じゃないか?」 「それに、何でクラウドになつく?」 カインは、つかつかと近寄りクラウドの腕を取り連れ出している。 「ありがと、カイン」 「餌、あげられるらしいぜ」 看板が立っている場所をリチャードが指差す。 クラウドを覗く後の三人は、チョコボを生で見るのも触るのも初めてだ。盾看板の元に行くと、どこかで見た事のあるおじさんがいた。おじさんも、クラウドを見てどこかで・・・と、思い出したらしくニコニコ笑いかけてきた。 「やぁ、君だったのか」 「あっ…こんにちわ」 「クラウド、知り合い?」 「グラスランドのチョコボファームのオーナーなんだ。前に遊び行って…」 「あれだけ、チョコボに警戒心なく触れるのはこの子が初めてだったよ」 クラウドの顔が、赤い。 一匹のチョコボが柵から乗り出してクラウドの服を引っ張っている。 餌を買いにきた他の子供達が、目を丸くしてその光景を見ている。 「人懐こいチョコボを選んだつもりだったんだが、なかなか触らせてくれないし餌も受け付けてくれなくてね。君がいてくれると助かるよ」 「?」 「ほら、餌あげてごらん?」 クラウドは、チョコボの首を優しく撫でてあげながら小さな手で差し出してくれる餌をチョコボは美味しそうについばむ。子供達は、喜びクラウドに小さな手でバイバイをしながら去っていった。 「クラウドって、年上のお姉さんばかりか、チョコボにももてるのか」 「そうだ、此処で手伝ってくれたら後でチョコボに乗せてあげるよ」 「いいんですか?」 おじさんは、嬉しそうに「助かるよ」といいクラウド達は喜んで手伝う事にした。何故か、クラウドがいるとチョコボは素直に指示に従い子供達や訪れたカップルから餌を貰い、その身体に触れさせた。 「少し、休憩にしよう」 おじさんは、サンドイッチと珈琲を持ってきてくれた。 「ほんと、手伝わせてしまったね。少しチョコボにも運動させて休憩取らせないとね」 「俺、初めてチョコボ見たし触った」 「俺も、俺も」とクリス達が話す。 午後も大盛況でチョコボも疲れたから早めに店じまいして、しまった後約束通りおじさんは一人一人にチョコボに乗せてくれた。クラウドは、乗り終わって下りると桶に水を汲みそれぞれにやっていた。 「よっ子チョコボ、と」 柵の向こうから寄りかかって手をあげているのはレノだった。その後ろには、相変わらず真っ黒なサングラスをかけたルードがいる。 「レノさん、ルードさん」 レノは、相変わらず頭にゴーグルをつけタークスの制服を着崩している。 「こんな所で何しているのかな、と」 「チョコボに餌あげられるって…聞いて…/////」 クラウドは、水を上げていた一羽を連れながらレノの傍による。 「レノさん達は、お仕事ですか」 「仕事の途中だぞ、と」 ルードが頷く。 「この時期になると、俺達もソルジャーも猫の手も借りたくなるぞ、と」 忙しいのと、クリスマスが関連つけられないクラウドにクリスが横から、クラウドに説明している。 「だから、セフィロスこの頃疲れきった顔しているのか」 「ところで、子チョコボ。クリスマスパーティには出るのかな、と」 クラウドは、きょとんとする。 「英雄さんから、聞いていないかな、と」 「聞いていない」 レノが、笑いながら頭を撫でまくる。 「まっ、あんな見栄張り大会パーティにでて見世物にならなくていいんだぞ、と」 クラウドは、首をかしげる。レノの言う「見栄張り大会」「見世物」の揶揄がよく判っていない。 「おっと、こうしてもいられないぞ、と。子チョコボじぁな」 レノは、あっという間にルードを連れて去っていってしまった。 「何か、あっという間に言いたい事だけ言って去っていったねー」 カインとリチャードも笑う。 だいぶ陽も傾き、帰りがけ四人は、手伝ってくれた御礼にとおじさんからチョコボのはねを貰った。黄色くてふわふわした羽根をくるくる回しながら公園を出る。 「楽しかったよねー」 「うん」 公園の出入り口で、少し話していると一台の黒い車が止まり後部座席の窓が空いて顔を覗かせたのは、ルーファウスだった。 「やぁ、君達」 「ルーファウスさん」 ツォンが運転席から居り後部座席のドアを開けルーファウスが降りてくる。相変わらず、白いダブルのスーツを着ている。その後ろから、漆黒の毛皮を纏った大きな犬がのそりとおりルーファウスの足元に並ぶ。 「前に話していた、ダークネィションだよ」 クラウドの目が輝く。 「ね、撫でていい?」 「ああ、いいよ」 後ろの三人は、固まっていた。どう、見てもただの飼い犬ではないし主人以外の命令なんて聞きそうにもない。クラウドは、嬉々としてダークネィションに近づき、手を伸ばしすんなり頭を撫でている。 「かわいい」 ぺろっと顔を舐められくすくす笑っているクラウド。 「ダークも君の事気に入ったみたいだね。ツォンでさえ、唸られるのに」 「そうなの?」 クラウドは、腹を出して寝転んでいるダークネィションを撫でている。 「ああ、確か此処でイベントあったね」 「うん」 クラウドは、結局ルーファウスが送っていく事になりルーファウスの横に座った。カイン達に「また、明日ね」と去っていくクラウドを見送った。 「あの人って、副社長だよね」 「うん、クラウド気づいてないけどね」 「夕飯なんにしようかな」 冷蔵庫を眺めながら、ぼんやりと考える。 今日も、帰り遅いのかな。 クラウドは、決めた。部屋に戻りコートを持ち出し部屋を出て行く。クラウドの向かったのは、セフィロスの執務室。その前にスーパー寄らなきゃ。重い荷物を持ちカードキーを使ってセフィロスの執務室に入る。そこには誰も居らずひんやりとした空気がクラウドに纏わり付いてくる。荷物をとりあえず降ろし明かりをつけて、キッチンに荷物を運び入れて支度に取り掛かる。確か、今日は誰も非番がいなかったから…メニューはシチューにかぼちゃのコロッケと胡桃パンだ。下地だけし終えパン生地は寝かせて、シチューに取り掛かる。 「これで後は暖めるだけだし、コロッケの方もあげるだけでパンも大丈夫」 椅子に座り、ふとカインから教わったクリスマスプレゼントの事を思い出した。 「何時も、貰ってばかりだもんなぁ。それに…/////」 セフィロスは、「家族」だって言ってくれた。 ザックスだって… 俺、初めてだったんだよ。無条件で俺を受け入れてくれたなんて… 俺にとって、二人は大切な存在… 「でもなぁ、何がいいのかなぁ」 足をぶらぶらとしながら天井を見る。シチューもいい具合に出来たし、後は皆が帰ってくるの待つだけだな。鞄から、本を取り出し読み始める。しばらく本に夢中になっていてふと視線を上げて時計を見た。 「もうPM10:13か…」 コロッケをあげてしまおうと、用意をし始め油の温度がちょうどよくなったので幾つか入れ揚げ始める。全部のコロッケをあげ終わりお皿に盛り付けてテーブルに並べていく。 「旦那。もう帰りましょー」 「ああ」 寒さの中、撤収を呼びかけた。 全員が本社ビルに戻りセフィロスとザックスが執務室の扉を開けた途端いい匂いと暖かい空気に包まれた。 「あっおかえり」 「クラウド…」 「えっ、クラウドだって?」 執務室のサイドテーブルには、暖かな湯気がでいるシチューとコロッケが。それにパンが並んでおり、クラウドは、にこやかにそこにいた。 「二人とも、お疲れ様」 「どうしたんだ?」 「うん、暖かい食事皆で食べた方のが美味しいでしょ」 ザックスは、他のソルジャーを呼びに消えている。 「クラウド」 「何?」 セフィロスは、腕を延ばしてクラウドを掴み自分に引き寄せ抱き寄せた。 「お前は、そんな事気にしなくていい。勉強に訓練があるんだぞ、それに――早く、俺の横で一緒に戦うのではなかったのか?」 「セフィロス、身体冷たい。うん、早くセフィロスの横で戦いたいよ。でも、これは俺がしたいんだ」 クラウドがくすくす笑う。 「/////・・・シチュー好きだし、セフィロス」 「お前が作ったシチューはな」 他のソルジャー達が、わいわい執務室に入ってくる。 「クラウドが、一人で作ったのか?」 「すげー、美味そう」 全員で、クラウドの作ってくれた暖かな夕食を平らげ、ザックスと二人で後片付けをしてセフィロスと共に執務室を後にする。セフィロスの運転する車内でクラウドは、小さな寝息を立て眠ってしまっていた。駐車場に止めて、クラウドの肩を揺さぶってみても起きず、軽くその柔らかな丸みのある頬を叩いても起きず結局セフィロスが抱き上げ家に入りベッドにクラウドを寝かせつけた。これからクリスマス、年末に向かってテロが増えてくる。それを未然に阻止するのも治安維持部の仕事のうちだ。だが、嫌な気分にさせられるのが多い。セフィロスとて、女子供容赦なく、刀の錆にするのは嫌な作業だ。だが、それを逃してしまえば何れまた大勢の命を奪う種を巻く事になる。 「・・・・・・・・」 クラウドの金髪の髪を指で梳きながら、ふっと口元がほころぶ。 お前は、私に暖かな場所を作ってくれる。 早く、強くなれ。 大人になれ。 そして―― 俺の横で、剣を振るうんだろう―― 「うん…そうなんだけどね」 クラウドは、珍しく携帯を耳に押し当て誰かと話していた。 「何が、いいのかなって思って…俺、あんまりよく知らないし…」 お昼休み、学校の屋上でぼんやりと空を見上げながら話している。吐く息が、白い。 「でも、あんまりお金ないから…うん…」 「わかった、ありがとう。じゃあ、午後…」 電話を切り、一息つく。 「本当に、何がいいんだろう」 一度、クラウドは家に戻り制服を脱ぎ私服に取り替えた。 「まだ余裕あるけど、遅れたら嫌だし・・・・」 サックス色のカラーコーデュロイパンツをはき、白地に紺地のボーダーのカットソーにライダースのGジャンを羽織前を閉めて、白のコートを羽織る。テーブルには一応メモを書いて残しておいた。待ち合わせ場所は、二番街の時計塔。待ち合わせ場所に来て見たが、まだ来ていない様だった。 「よっ子チョコボ、と」 「レノさん、ルードさん」 「迎えにきたぞ、と」 クラウドが待ち合わせしていたのは、ルーファウスだ。何で、この二人が?と、首を傾げて二人を見る。 「警備上、坊ちゃんを此処に連れてくるわけいかないんだぞ、と」 「そうなんだ」 レノとルードは、一台の白の車にクラウドを案内し後部座席に乗せた。そこには、何時も白のダブルスーツのルーファウスではなく綿シャツにウールのベストを着てジーンズをはいたルーファウスがいた。それに何時もきちんとしている髪も今日は何もしていない。 「どうしたんだい?私の格好がそんなに珍しいかい?」 「そういんじゃないんだけど」 くすくす笑うクラウド。 「で、目星は付いたのかい?」 クラウドは、頭を軽くふる。 「二人とも、クラウドがくれた物なら喜んでくれると思うよ」 「そうかなぁ」 レノが、ともかく五番街に行こうと勧めた。五番街なら、クラウドの予算でも買える店が多いからだ。クラウド自体、今はセフィロスと共に住んでいてセフィロスが生活費をすべて見てくれているおかげで少し余裕が出来たし、それにセフィロスの執務室でのバイト料も入る。初めは、幾らか払うと言ったのだが、頑としてセフィロスは受け入れてくれなかった。残ったお金はクラウド自分自身の為にとって置けと。それならそのお金は二人のために使おう決めた。 「ほら、着いたぞ、と」 少し、車で酔い気分だったクラウドだが何とか青ざめながらも持ち応えた。ショッピングセンターの駐車場に止め二人を降ろす。 「上から、下へ降りながら、見ていくぞ、と」 「う、うん」 レノは、駐車場のエレベーターのボタンを押す。 最上階は、レストラン街になっているので、その下の6階から見ていこうとボタンを押すが 「どうした、子チョコボ」 「…大丈夫…」 「これもだめなのかい?」 「うん、浮遊感が…ちょっと…」 ルーファウスは、クラウドの背を少し撫でてあげながら笑った。レノは、よくツォンが仕事を途中でやめてルーファウスを出したのかが面白かった。余程、この子チョコボ気に入られているぞ、と。ルーファウスの方も護衛がいるとはいえ、こうして仕事抜きで出かけるなんて考えてみれば初めてのような気がして楽しんでいた。店内案内表を見上げながら、思案気なクラウド。 「とりあえず、階ごと一周して見ようか」 「そうだね」 二人は、面白げに商品を手にとって見たりショーケースに並んだ品物を眺めたりしていた。 「あれ?ルードさんは?」 「気にするな、と」 男性フロア―に降りてきてクラウドは、テナントに入っている店の棚に並んでいるものに引かれた。でも、こういった店に入るのが不慣れなクラウド。ルーファウスは、クラウドの腕を取って店の中に入っていってしまう。 「ねぇ、それ見せてくれる?」 店員は、ルーファウスがいった品物を持ち棚においてくれた。クラウドは、手にとって見て何気にプライスも見てみて予算内だった。 「どうだい?他も、見て回る?」 「ううん、これがいいよ」 店員が「他の色もありますが、見てみますか?」と、言ってくれたが断わりラッピングをしてもらった。支払いを済ませて綺麗にラッピングをして貰い紙袋に入れてもらい荷物はレノが持ってくれた。後は、ザックスと… 「ザックスは、どんなの好きそうなの?クラウド」 クラウドは、何時ものザックスの服装や持ち物を思い出してみる。ザックスは何時もラフな格好が多いし、Tシャツを着ている。下手すると、余り店にこだわらずデザインが気に入れば安かろうと高かろうと買っているようだ。歩きながら、店を見て回りひとつの店の前で止まった。 「此処、見てみる?」 「うん」 店内は、トレーナーにTシャツが綺麗にたたんで並べられアクセサリー類も並んでいる。二人は、陳列されている棚を見ながら一枚のトレーナーに目がとまる。 「これ」 「よろしかったら、広げてご覧ください」 店員が、そっとにこやかに声をかけてくる。 「アクセサリーの方も同じデザインが揃っているんですよ」 店員が小さなショーケースから取り出したのはシルバーの指輪とネックレス。プライスもお手頃だしトレーナーと揃えてもお釣りが来る。指輪はサイズもあるからとやめてこの二つを購入しラッピングをして貰った。 「これで、買い揃ったようだね」 「ありがとう。二人いなかったら何にしようか迷ってたし…」 中々店にも入れなかっただろう。 「後ね…もうひとつ寄っていいかな」 そこは婦人服売り場だった。 「少しお金余ったから…母さんに何か送ろうと思って…」 レノはそう言えば、子チョコボ母は一人子一人で父親は誰だか知らないといっていたな、と。 「私も、余りう言った店には縁がないな」 ルーファウスは、物珍しげにきょろきょろと見回している。 一応、このデパートは神羅系列で何度かルーファウスも視察で訪れてはいるが、買いに来ると言う事はなかったので物珍しいのだ。ふと、ルーファウスは目にとまった商品があった。 「クラウド」 「何?ルーファウス」 ルーファウスが、手招きしている棚の方に向かう。 棚には、薄い桃色のショールとおそろいのひざ掛けが合った。 「これなんか、どうだい?」 「暖かそう」 クラウドは、プライスを見たが買える金額じゃなかった。 「どうしたんだ、子チョコボ、と」 レノが、二人の合間から顔を出してくる。 「予算、足りないんだ。せっかく、ルーファウス見つけてくれたんだけど」 しょんぼりと肩を落とす。 「他、探すよ」 「そうか」 先程のものとは違うが、予算内でショールとひざ掛けを買いラッピングして貰い配送の手続きをとった。お姉さんは、日付指定の処置をしてくれた。 「ありがとう」 にっこり笑うと、店員のお姉さんの顔の頬がうっすら赤くなる。レノは、本社ビルでもクラウドアイドルだがここでもそう見たいだぞ、と様子を見ている。買い物も済んで、喫茶店でお茶をしてクラウドを送り届けた。 「今日、本当にありがとう」 「また、近いうちに」 ルーファウスは、にっこり笑う。 「レノさん、ルードさんもありがとう」 「じゃあな、と」 ルーファウスを乗せた車は去りクラウドはともかく隠しとかなきゃと急いで家に戻った。 |