やけに騒がしいなと思って視線を上げれば、前方にあいつを発見した。
いつも人に囲まれていて、一人でいる所などほとんど見たことがない。
ソルジャーなんていう偉い職業なんかしているくせに偉ぶったりしない。
陽気で面倒見が良く、誰からも慕われる。
あいつはそういう奴なんだ。
異様に盛り上がっているようだから、特に話しかける用事もないしそのまま素通りしようとした…
が。
「あ!!クラウド!」
呼び止められて無視などできるはずもなく、仕方なく振り向く。
あいつは仲間に簡単な挨拶をすると俺の元に駆け寄ってきた。
盛り上がった楽しい場をいとも容易く捨ててあいつは俺の元に走りよってくる。
「今から帰りか?」
「あ、あぁ。…あっちいいのか?話中だったんじゃないのか?」
話の流れを断ち切ってやってきて本当によかったのかと問いかければ、あんたはきょとんとした顔をする。
「あぁ、全然かまわねぇよ。お前と飯食おうと思って待ってただけだし。」
あんたは本当になんでもないとでもいうように、にっこり笑う。
「…あっそ」
嬉しかったはずなのに口から出るのは可愛気のない言葉だけ。
こんなんじゃ何時愛想尽かされてもおかしくない。
それなのに。
「お前と飯食うの久しぶり。」
なんてあんたは気にせずに笑うんだ。
 





ホント何気ない一瞬ですいません。しかもオチなし(死)